多店舗飲食チェーンのレシピと原価を、本部で一元管理する開発事例
ベテランの頭の中にあったレシピを電子化し、食材単価の変動が全メニューの原価率に即座に反映される仕組みを、業務に合わせてゼロから設計しました。棚卸しの手入力集計や発注の勘頼りも、この開発で解消しています。
月末棚卸し集計時間
月60時間→月12時間
店舗間の原価率乖離幅
最大8ポイント→2ポイント以内
新人のレシピ習得期間
平均3週間→1週間以内

Story 01
多店舗飲食チェーン、ある1日の流れ
- 1
08:30
開店準備。新人スタッフがレシピを確認しようとするが、紙のレシピカードが見当たらず、ベテランに口頭で聞きに行く。ベテランも「うちの店では少し変えてるから」と独自アレンジを伝えてしまう
- 2
10:00
仕入れ担当から「鶏肉の単価が先月比で15%上がった」と連絡が入る。本部の商品管理担当はExcelを開き、鶏肉を使う全メニューの原価を1品ずつ手計算で修正し始める。全店分で30品目以上あり、午前中いっぱいかかる見込み
- 3
14:00
エリアマネージャーが月次の店舗巡回。A店は原価率が28%で優秀だが、B店は35%で同じメニューなのに大きく差がある。原因を聞いても「量り方が違うかも」という曖昧な答えしか返ってこない
- 4
21:00
閉店後の棚卸し。スタッフが在庫を数えながら紙に書き出し、それをLINEで写真撮影して本部に送信。本部担当者は翌朝にその写真を見ながらExcelへ転記する作業が待っている
- 5
翌朝 09:00
本部担当者が各店舗の棚卸し写真を見ながらExcelへの転記を開始。全5店舗分で2〜3時間かかる。転記ミスが後から発覚することもあり、再確認の電話が店舗に入ることも珍しくない
- 6
月末
発注計画の作成。先月の売上・在庫・廃棄ロスを照合しながら、来週分の発注量を担当者の経験と勘で決める。食材の価格変動と在庫消化のバランスを考慮する余裕がなく、廃棄ロスが増えやすいタイミング
Story 02
現場で繰り返されるもどかしさ
レシピが「人」に紐づいている
調理経験の長いスタッフが異動・退職すると、その店舗の味が変わります。新人が同じ料理を作っても、仕上がりが微妙に違う。お客様からの「前より薄い気がする」という声が気になりながらも、どこで差が出ているのか追いかけられない、という状況が続いていませんか
食材単価が変わるたびに全計算をやり直す
仕入れ価格は季節や相場で動きます。その都度Excelを開いて全メニューの原価を手計算で修正するのは、本部担当者にとって本来やるべき仕事ではないはずです。計算漏れが1品でもあると、そのメニューだけ原価率が狂ったまま販売が続くことになります
棚卸しの転記作業が月末に集中する
各店から届く手書きメモやLINE写真を見ながらExcelに転記する作業は、ミスが起きやすく、時間もかかります。転記ミスが後から判明したとき、店舗に再確認の電話を入れる手間まで発生します。この作業だけで月に数十時間が消えている、という声を複数の運営会社からお聞きしています
店舗間の原価率乖離に気づくのが遅れる
同じメニューでも店舗によって原価率に数ポイントの差が出ることがあります。月次でしか数字を比較できないと、問題に気づいたときにはすでに数週間分の損失が積み上がっています。どの店舗で、どのメニューに問題があるかを、もっと早く・手軽に把握できたら、と思いませんか
発注量は経験と勘の産物になっている
長年の経験を持つ担当者なら適切な発注量を判断できますが、その人が休んだり異動したりすると途端に精度が落ちます。廃棄ロスが増えたり、逆に食材が足りなくなったりするリスクを、属人的な感覚に頼り続けることで許容してしまっていませんか
Story 03
この開発事例でこう変わりました
本部でレシピを電子化し、全店舗に一括配布できる仕組みをゼロから設計しました。レシピには材料の分量だけでなく、手順の補足説明や注意点も記載できます。バージョン管理機能があるので、レシピを改訂した際には全店舗に新版が届き、古いバージョンのまま調理し続けるリスクがなくなります。新人スタッフが画面を開けばその場で正確なレシピを確認できるので、ベテランへの口頭確認の手間が大幅に減りました。 食材の単価は管理画面から一括で更新できます。更新した瞬間に、その食材を使う全メニューの原価率と粗利が自動で再計算されます。担当者がExcelを開いて1品ずつ計算し直す作業は、もう必要ありません。エリアマネージャーは店舗比較の全体画面から、どの店舗のどのメニューで原価率が乖離しているかをリアルタイムに把握できます。問題を発見してから対処するまでのタイムラグが、大きく縮まりました。 棚卸し入力は、スタッフがスマホで食材のバーコードをスキャンして数量を打ち込むだけです。入力データは本部の集計画面にリアルタイムで反映されます。紙への書き出し、LINEへの写真送付、Excelへの転記という3段階の作業がなくなり、転記ミスによる再確認の電話も過去のことになりました。集計にかかっていた時間は月60時間から12時間へと減少しています。 発注量のサジェスト機能は、各店舗の在庫実績と直近の売上実績をもとに、翌週分の推奨発注量を自動で提示します。担当者は内容を確認して承認ボタンを押すだけで発注書が完成します。廃棄ロスの削減と欠品リスクの低減が、経験や勘に頼らずに実現できるようになりました。
App Tour
画面でみる業務改善
Screen 01
レシピ一覧・全店配布管理画面
本部で登録・更新したレシピを、全店舗に一括で配布できます。各レシピにはバージョン番号と最終更新日が記録されており、どの店舗がどのバージョンを使っているかも一覧で確認できます。これまでベテランスタッフの口頭伝承やメモ書きに頼っていたレシピが電子化されたことで、新人スタッフでも同じ手順で調理できるようになり、店舗間の品質のばらつきが大きく減りました。

Screen 02
レシピ詳細・原価率自動計算画面
材料の分量を入力すると、登録済みの食材単価と連動して原価率と粗利が自動で計算されます。仕入れ価格が変わったときは単価を更新するだけで、そのメニューを使っている全レシピの計算が即座に反映されます。以前は本部担当者がExcelを開いて全品目を手計算していた作業が不要になり、単価改定のたびに感じていた「どこまで直したか分からない」という不安も解消されています。

Screen 03
スマホ棚卸しスキャン入力画面
店舗スタッフがスマホでバーコードをスキャンして数量を入力するだけで、本部の集計画面にリアルタイムで反映されます。紙に数字を書いてLINEで送り、本部がExcelに転記するという流れはなくなりました。入力ミスが後から発覚して集計をやり直す、という月末ぎりぎりの慌ただしさも、この画面で大きく改善されています。モバイルのWebブラウザから開けるため、専用端末を用意する必要もありません。

Screen 04
発注量サジェスト・承認画面
在庫の実績データと売上データをもとに、翌週の推奨発注量が自動で計算されます。担当者は画面に表示された内容を確認して承認するだけで発注書が完成し、仕入れ先への送付まで一連の流れがこの画面で完結します。これまでベテランの経験と勘に頼っていた発注判断が根拠のある数字に基づくようになり、発注過多や欠品のリスクも減っています。

Screen 05
店舗別・メニュー別原価率レポート画面
エリアマネージャーや本部担当者が、全店舗の原価率をひと目で比較できる全体レポート画面です。店舗間の乖離が大きいメニューや、特定期間に原価率が上がっている店舗をすぐに特定できます。以前は各店から上がってくる数字を集めて本部でまとめるだけで数時間かかっていましたが、この画面を開けばリアルタイムの状況を把握でき、現場への確認や改善の指示を早いタイミングで出せるようになっています。

Why custom development
既存のツールではダメだったのか
Airレジやスマレジはレジ・売上管理の領域で非常に優れたツールです。Excelも柔軟性があり、小規模な集計には十分に機能します。ただ本事例では、レシピ管理・原価自動計算・棚卸し集計・発注サジェストを一つの業務の流れとして連動させたいという要件があり、既存ツールの組み合わせでは運用の複雑さが解消できないことが分かりました。
売上データの管理やレジ業務には適していますが、レシピのバージョン管理や食材単価と連動した原価率の自動計算、店舗別の粗利比較といった機能は標準では備わっていません。外部ツールと組み合わせる構成も検討しましたが、データの受け渡しに手作業が残り、本部担当者の負担が減らないことが分かりました。
原価計算のシートをExcelで構築することは可能です。しかし複数店舗が同時に棚卸し数字を入力する運用や、食材単価の変更を全メニューに即時反映する仕組みをExcelで維持するには、管理できる担当者が限られ、シートの破損や上書き事故のリスクが継続的に残ります。スマホからの入力にも対応しにくく、現場スタッフの使い勝手が課題になりました。
データの登録・管理基盤としてkintoneは有効な選択肢です。ただ本事例では、食材単価の変更を全レシピの原価率に即座に反映させる計算ロジックや、バーコードスキャンと連動したスマホ棚卸し入力、売上実績からの発注量自動サジェストまでを一つの流れで動かしたい要件があり、プラグインの組み合わせだけでは対応しきれない部分をゼロから設計することにしました。
About this case
この開発事例について
このページでご紹介しているのは、合同会社カイゼンマニアが多店舗展開飲食チェーン(中小規模)向けにオーダーメイドで開発した業務管理システムの事例です。同じ内容のものを製品やパッケージとして販売・提供はしておりません。同様の業務上の課題をお持ちの場合は、貴社の業務の流れや規模に合わせてゼロから設計・開発いたします。まず業務のヒアリングからお声がけください。なお、本ページに登場する組織名・人名・地名・各種専門用語の一部は、機密保持・プライバシー保護のため仮名に置き換えています。掲載しているアプリ画像も紹介用にサンプル化・加工を加えたものであり、実際の運用画面そのままではありません。
FAQ
開発のご依頼に関するよくあるご質問
Q.このシステムは購入やダウンロードできますか?
いいえ、購入・ダウンロードはできません。このページは合同会社カイゼンマニアが過去にオーダーメイドで開発した事例の紹介です。同様の業務課題をお持ちの場合は、貴社の業務内容に合わせて新規に設計・開発いたします。まずはお気軽にご相談ください。
Q.開発費用と保守費用の目安はどのくらいですか?
業務の範囲や機能の数によって変動しますが、本事例のような多店舗飲食チェーン向けの類似規模では、初期開発50〜150万円・月額保守3〜8万円のレンジが多いです。店舗数や連携する既存システムの状況によってはこの範囲を超えることもあります。初回のヒアリングで業務範囲を整理したうえで、個別にお伝えします。
Q.開発の期間はどれくらいかかりますか?
業務ヒアリングから本番運用開始まで、標準的な規模であれば3〜5か月が目安です。店舗数が多い場合や既存システムとの連携が複雑な場合は、スケジュールをヒアリング後に改めてご提案します。
Q.既存のPOSレジや仕入れ管理システムと連携できますか?
お使いのシステムの仕様に応じて、連携方法を設計します。現場ですでに動いているレジシステムや仕入れ先との受発注データなど、既存の流れをできるだけ壊さない形での設計を心がけています。まずどのようなツールをお使いかをヒアリングの場でお聞かせください。
Q.運用開始後の保守や機能追加は対応してもらえますか?
月額の保守契約と、個別の改修依頼の両方に対応しています。店舗数が増えたときや、新たな業務フローに合わせた機能追加が必要になったときも、継続してご相談いただけます。
Q.店舗数が少ない中小規模でも依頼できますか?
はい、対応しています。本事例も中小規模の多店舗チェーンを対象に開発しています。店舗数が少なくても、手作業による集計ミスや属人化した運用の解消は十分に開発の対象になります。まず現状の業務の流れをお聞かせいただければ、費用対効果も含めて率直にお伝えします。
貴社のレシピと原価管理にも、同じ改善を。
口頭伝承のレシピ、単価改定のたびに繰り返す手計算、月末に集まる棚卸しの紙。これらを一つの業務の流れとして整理し、貴社の規模と現場に合った形でゼロから設計します。まずは業務のヒアリングからお声がけください。
本ページは過去の開発事例を紹介するものです。同名の製品やパッケージとして販売されているわけではありません。同様の業務改善は、貴社の業務に合わせて新規開発で承ります。本ページに登場する組織名・固有名詞の一部は機密保持・プライバシー保護のため仮名に置き換えており、掲載しているアプリ画像も紹介用にサンプル化・加工を加えたものです。



